2010年12月25日土曜日

買い物と対話のプロセス



これを買おうと決めてから、お店に行く場合は違うのですが、なんとなく欲しいと思っていたものをどれにするか決めるプロセスが面白かったので、記録しておきます。


テレビボードが欲しくて、大塚家具に出かけました。条件は、幅の長さが145cm以下というただそれだけ。リビングのコーナーに置くには、それ以上だと窓側にはみだしてしまうことで、この条件だけ頭に入れてお店に行きました。


大塚家具は案内の人が付いてくれるので、案内人に連れられて店内を回っていると、条件が少ないはずだったのに、これがなかなか決められません。


テレビボードの幅の長さは、150cmというのがあるのですが、それ以下だと、一気に120cmになってしまいます。そうすると、150cmのときにはいい感じであった収納スペースが極端に小さくなります。


買いにいくときには、収納スペースのことなど、まったく条件の中にはいっていなかったはずなのですが、現物を見てみると、どうもいろいろな条件が出てきます。


収納スペースの他には、色はダークブラウンがいいとか、取手は出っ張っていないほうがいいとか、ビデオデッキ収納のガラス部分はそんなにいらないとか・・・。


結局、数々の出てきた条件にあうものは、幅が100cmのものだったので、それを注文して帰ってきました。



ふとこれって、対話の外化のプロセスに非常に似ているかもしれないなと思います。


買い物の場合は、対話の相手が物になるわけですが、暗黙知としての要望があったのが、いろいろな物をみる事を通して、条件という言葉になっていく。対話は、他者との言葉のやりとりを通して、即興的に暗黙知が形式知化していく。



一人で考えていると、このような結論にならなかったなと思う対話はたくさんあります。自分では気づかなかった社会的な条件や制約などは、家具の規格に似ています。対話はときには得られる物が少ないと感じるときもありますが、それは自分の中の暗黙知の量がへってきているのかもしれないなと思ったりしています。


単なる買い物だったのですが、なかなか面白い体験でした。

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